ehermesのブログ

インターネット、経済、政治に興味を持っています。

国家意識について

現代の国家意識はどうなっているのだろうか。帝国主義の時代を考える。戦争により植民地のぶん取り合戦をやり、勝つことが経済的に重要になっていた。戦争が大きな事業だったわけだ。愛国心も重要な意味を持っていた。現在の国家はどうであろうか。戦争という行為がなくなり、民族的なひとかたまりという意味を持つに過ぎなくなった。戦争に勝つという至上命題がなくなり、国家の意味は希薄になっている。政府、政治家は国家の単位で物事を考えているが、国民全体でそれが当然のこととは思われていない。分業が進み同一の国家内でもたくさんの業界コミュニティーでまとまるようになった。マスコミなども国家を代表するというよりはマスコミの業界代表となっている。政府の国家予算は国全体の経済に影響をあたえる上、外交では国を代表して一行為者となる。政治家は国を代表し、国家意識の塊となる。今回の憲法改正の議論を聞いていてこの部分が強調されているようだ。政治家は国家、政府を社会と同一視していて、社会が一体になればいいと考えている。ところが、社会はいろいろな利害が対立するコミュニティーからなっている。その部分が政治家は理解していない。現在の憲法改正案になっている次第だ。保守のブームがその方向性をさらに強調する。政治家は心底日本が一体になればいいと思っている。なかなか第三者的に社会を捉え制度を構築することができない。その一体感が国民を動かすかどうかにかかっている。