ehermesのブログ

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集団的自衛権についての感想

集団的自衛権にまつわる状況を見て感じることは政治の21世紀的状況がよく現れているなということだ。政治が一種のエンターテインメントになっている。生活に必要な部分ではなく価値観の表明となる。民主主義そのものがそのような傾向を示す。保守と左の対立によく現れ、保守の田母神さんや共産党の人気が高まる。これらの思想はセカイ系だ。理念はあるが現実、社会はなおざりにされている。集団的自衛権も権利を保持することに主眼が置かれ外交上どのように行っていくかは曖昧なままだ。ほぼ戦争を認める権利なのに実際の外交は安保体制を含めて全く変化がない。この政治の風潮はポストモダン社会の現れだと思う。サブカルで論じられたポストモダン社会が実際の政治に現れはじめた。これは近代思想の後退が原因だ。言い古されているが、日本は近代化が充分でないだけにポストモダンになりやすい。政治の世界まで現れているのは日本だけかもしれない。理念が先行すると社会の現実はどうなるのか。それは無意識の中に存在する。意識せずに当たり前と思っている感覚だ。市場主義、資本主義がその無意識だ。政治はその部分には全く手を付けない。批判し論じられることもない。日本は本来設計社会ではなくあるがままに社会をなしてきた。無意識に社会をなす。それこそが日本社会の本質だ。ポストモダンは日本と相性が非常にいい。保守もこのポストモダンの社会の中にある。従軍慰安婦の問題にしても保守の人たちは十分勉強してきているはずだ。日本が今までにお金を用意し、政府が公式に謝罪した経緯をよく知っている。韓国がまだ問題にしていると主張できるはずだ。外交的にはそういう主張が有効だ。しかし、保守の人たちは従軍慰安婦問題が日本の悪行でないと主張する。実務能力の欠如も甚だしい。理念によっているだけで、大人の解決法ではない。これが近代が欠如したポストモダンの特徴だ。民主主義もその風潮の真っ直中にある。政府は政治家と官僚がエンターテインメント、民主主義と政治を分けて考え、両方に対応できる能力を持つことが大事だ。政治家の責任は重い。