動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

著者の代表作ですが。オタクの詳細な記述が続くのではないかと思って敬遠していたものです。まだ半分しか読んでいませんが感想を。非常に骨太で表現力豊かな傑作だと思います。著者の作品は何冊か読んでいますが、これが代表作であるのはよくわかります。壮年期の一番エネルギーがある時代に知的関心を社会に照射しできあがった希有の作品です。内容は今になっては常識化していますが、これを書いたときは斬新であったのだろうと推測します。何はともかくぐいぐい読ませます。充実しています。なれない美辞麗句で変な文章になっているのでは。読み終わったらまた書いてみたいと思います。

追伸　まだ読み終わってないのですが、だいたいイメージできました。そういう本です。最後まで読む必要がないというわけではありません。文章は力強く読んでて飽きません。結局アニメの世界とは、僕はほとんど関わりがなく、子供の頃に見ていた巨人の星みたいなイメージだったのですが。たくさんの読者を獲得し、いろいろなイメージを喚起できる素材だということです。知的才能のある人がイメージを想像できるそういう土台を持っているということです。そういう勝者、勝ち組の世界という感想です。メジャーになりマスコミに取り上げられ、世界中に広まっていく存在だということです。僕らに世代にとっては非常に斬新な新しい世界の登場です。日本のとっては貴重な財産かもしれません。東さんはそういう新しい今ホットな素材、価値のあるが世間の大人に評価されていない世界を紹介する力があります。インターネットの世界に興味をもってそれを政治と結びつける仕事も同じです。大人の人に今価値あるもの、注目されるべきものを説得力を持って提示することができます。彼はオタクの世界にとどまりません。インターネットの世界もしかりです。今興味を持っているのはSFの世界、ビジネスの世界でです。全く違う次の価値を探しています。彼が次に大人に提示する世界は何でしょうか。